大人にも読んで欲しい【2023年高学年課題図書】「魔女だったかもしれないわたし」のあらすじ・感想・書き方

YUZUKA
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魔女だったかもしれないわたしってどんな話?

題名だけみるとファンタジーなのかなと思いますが、自閉の女の子が主人公の話です。

  • 読書感想文を書こうと思っている小学生
  • 自閉のことが知りたい人
  • ありのままの自分でいることが怖い人

小学生には、少し難しい話ですが、読みやすい作品なので高学年の子どもたちにお勧めしたい作品です。

本を読んだ私と小学5年生の娘の感想をあわせて紹介します。

「魔女だったかもしれないわたし」とは

誰が書いたの?

  • 著:エル・マクニコル
  • 訳:櫛田理絵
  • 出版社:PHP研究所
YUZUKA
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2023年小学校高学年の課題図書に選ばれた作品です。

「魔女だったかもしれないわたし」のあらすじ

スコットランドの小さな村で、二人の姉と両親と共に暮らす自閉の少女・アディ。
昔、「人とちがう」というだけで魔女の烙印を押され命を奪われた人々がいることを知ったアディは、その過ちの歴史を忘れぬよう村の委員会に慰霊碑を作ることを提案するのだが……。

「わたしも魔女にされていたかもしれない――」
魔女として迫害されていた人たちのなかには、自分のような人が含まれていたのではないだろうか……?
先生や友だちからの偏見、自閉的な姉からの理解と、定型発達の姉との距離、
人とのちがいを肯定的に捉える転校生との出会い……。

「魔女狩り」という史実に絡めて多様性の大切さを訴えつつ、ニューロダイバーシティの見地から自閉の少女の葛藤と成長を描いた感動作。

Amazon商品ページより引用

自閉の主人公アディは、人と違うだけで魔女と言われ迫害された歴史の話を聞き、自分もその時代に生きていたら魔女にされていたかもしれないと思う。

アディは、犠牲者たちの慰霊碑を作ってほしいと村の委員会に要望する。しかし委員会でその提案は却下された。

そんな時に、アディの日常に事件が起こる。クラスメイトのエミリーがアディの大切な類語辞典をびりびりに引き裂いたのだ。

周囲のクラスメイトは傍観者で何もせず、友だちのオードリーだけがエミリーに向かって抗議した。

エミリーに抵抗して暴力をふるったアディは、担任のマーフィ先生から呼び出された。

マーフィ先生は一方的にアディに非があると責めるが、オードリーやアリソン先生はアディの味方でいてくれた。

その後にあった委員会でアディはありのままの自分の思いを伝える。

自分自身が自閉であると明かし、人と違うのはいいことだと述べ、最後には自分が自閉でよかったと語った。

アディの訴えが人々に届き慰霊碑が作られることに。

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ラストはハッピーエンドで終わります。

どんな人におすすめ?

自閉について知りたい人には、非常におすすめです。

自閉である主人公の気持ちや、感じ方が丁寧に表現されていてわかりやすいです。

ストーリーも引き込まれるように進むので、読書が苦手な人でも読みやすいと思います。

感情移入しやすい人は、いじめのシーンもあるので辛くなると思いますが、自閉の人についての理解が深まるので最後まで読んでほしいです。

読書感想文の書き方

感想文を書く流れ

  • 1日目は、さらっと読む
  • 2日目は、その中で1番心に残ったこと、書きたいことを決め、そのシーンについて思ったこと、感じたこと、自分が主人公だったらどう行動したかを書く

本を読むのは好きだけど感想を書くのは苦手な娘に伝えた流れです。

最初は娘に気になるところに付箋を貼るといいよと伝えると、なんだか付箋だらけになっていく本。

読書感想文は書きにくいですが、だらだらと日にちをかけると何度も読み直さないといけなくなります。

付箋が張りすぎになり、わけがわからなくなったようなので娘には1つに絞るように伝えました。

そして、感想文を見た人にもどんな話かをわかるように簡単なあらすじと、自分が知らなかった自閉という言葉について本を読んでわかったことを加えてみたらといいました。

感想文の下書き方法のおすすめ

下書きをする際にパソコンで書くと、文字数がわかり、修正も簡単なのでパソコンで書くのをお勧めします。

去年までは紙に書いていましたが、つけ足したり消したりを繰り返すと何を書いていたかがわかりにくくなるのと、文字数がよくわからなくなっていました。

パソコンで取り組んだことで、大人も子どもも読みやすくなり、文章の修正をするのに見やすかったです。

感想文を書く時は日にちをあけすぎない

感想文に取り組むのは日にちを長くても2~3日と決めてやってしまいましょう。

日にちがあくと、読み直しに時間がかかり読書感想文に取り組むハードルがあがってしまいます。

子どもにエールを送るためにも親も一緒に読んでから取り組むと、子どもが読んだ感想に対してのコメントもしやすいので、取り組むのが苦手な子どもの場合は一緒に読んではじめてください。

子どもが書いた文を尊重する

読み返すと、ついつい修正したくなる読書感想文ですが、子どもが頑張って書いた文章です。

まずは子どもの前で書いた文を読んであげると、子ども自身が修正したほうがいいなと思える部分に気づいたりもします。

大人が読んでいてわからない部分は、この部分はどんなことを言いたいのかな?など疑問に思ったから教えてほしいというスタイルできいてみてください。

読んだ感想

娘は、2回ほど本を読みこみましたが、中々感想文に着手することができませんでした。

「自閉というだけでなぜいじめられるのか?」

娘には理解できませんでした。

娘の周りは平和で、教室にいる人はみんな友だちというような和気あいあいとした環境で育ち、先生にも恵まれているので想像の世界を超えていたようです。

娘に一番印象に残った場面について書くといいというと、自閉の主人公がいじめられ、いじめた子に反撃した時先生が一方的に主人公を悪者にしたシーンを選びました。

大人も差別をする

というショックなシーンだったと思います。

娘は拙い文章でしたが、そのシーンについて書き読書感想文を書きあげることができました。

大人も子どもも考えさせられる作品です。

子どもにも読んで欲しいけれど、まずは大人にも読んで欲しいと思える作品でした。

目の前にいる一人一人の子は違って「みんな違ってみんないい」ということがどんな時でも普通に言えて、接することができる、そんな世の中になってほしいと思います。

読書感想文、まだ取り組んでいないのであれば、子どもと一緒に大人も読んで感想をいいあう機会をつくってみてはいかがでしょうか。