事件が解決してからが本当の物語の始まりとなる「白鳥とコウモリ」のあらすじ・感想

  • 長編ミステリーが読みたい
  • 東野圭吾の作品の中で映画化されていないものを読んでみたい
  • 意外な結末を迎えるストーリーが読みたい
YUZUKA
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500ページ以上もあるボリューム満点の作品「白鳥とコウモリ」を紹介します。

「白鳥とコウモリ」とは

誰が書いたの?

  • 作:東野 圭吾
  • 出版社:幻冬舎
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作家生活35周年記念作品で新たなる最高傑作、東野圭吾版『罪と罰』。です。

「白鳥とコウモリ」のあらすじ

遺体で発見された善良な弁護士。

一人の男が殺害を自供し事件は解決――のはずだった。


「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」


2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の”告白”、その絶望――そして希望。


「罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」
私たちは未知なる迷宮に引き込まれる――。

幻冬舎HPより

善良な弁護士・白石健介が遺体で発見されるところから物語は始まります。

刑事・五代は捜査を進める中で、事件がすでに時効となった1984年に愛知で起きた殺人事件と関わっていることに気づきます。

すると愛知から度々上京していた男性・倉木達郎が「すべて、私がやりました。」と自供してきました。

倉木は2017年の事件だけでなく、1984年の事件の犯人でもあると告白します。

本人の自供により、事件は解決かと思われました。

しかし、その自供を聞き、被告人である倉木達郎の息子・和真は、父の言動に不自然な印象を受けます。

さらに被害者である白石健介の娘・美令も、父と犯人の関係や出会いに疑いをかけ始め、物語は意外な方向に進んでいきます。

「白鳥とコウモリ」の感想

物語の序盤で事件はあっさりと解決するところから、本当の物語が始まります。

最初は、刑事の視点で描かれていて事件を捜査していく話かと思っていましたが、分厚い本の序盤で事件が解決し拍子抜けします。

ここからどういうストーリーが展開されていくのだろうとじわじわと読み進めるうちに、加害者の息子の視点、被害者の娘の視点が入っていきます。

立場は全然違う二人の視点で読みながら、事件の真相を追い求めていくので、分厚いながらも飽きることなく読み進めることができました。

色々な人の思いを考えながら読むと「罪と罰」とは何なのか、何が正しいのか。

この1冊を読む中で考えずにはいられなかったです。

「白鳥とコウモリ」のタイトルが意味することがわかる時がこの話の見どころだなと思いました。

中盤からは本を読むのをやめられなくなります。

事件だけでなく、被害者加増や加害者家族の視点に触れてみたい方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

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